〜双極性障害、発達障害を始めとする疾患や障害、特性とともに生きる〜

2020年早春、私は徐々に働けなくなっていった。

派遣社員として2018年から勤務していた製薬会社では、気分の浮き沈みや鬱状態がありながらもなんとか働いていた。

そういうと、さぞ重労働や責任の重い仕事を誰の助けもなく任せられていたかのように思う人もいるのかもしれない。(派遣という立場ではあるが比較的簡単なラインのリーダーは任せていただいていた)私の場合はそうではなく、業務は正社員の方や直接雇用のパートの方がしっかりとサポートしてくださっていた。

それに、私は実家暮らしで、家事を手伝いはするものの家族に助けてもらいながら生活していた。

いわゆる、成人した大人の子供部屋暮らしというやつだ。

アラサーになってようやくわかった発達障害も最初はどう受け止めていいかわからなかった。

家族も、私も精神疾患や発達障害について本当に無知だったと思う。

幾度か、直属の上司の方と自分の病状や障害について話す機会があった。そういう時間を一個人に派遣社員に対しても作ってくださる頼りがいのある会社であった。結局、製薬会社の方々は私の精神疾患や発達障害を理解した上で直接雇用にしてくださった。なかなか巡り会えない環境的にも人間関係的にもとても恵まれた会社なのかもしれない、と心底思った。しかし私は昨年の春に休職を経て、一旦自分を立て直そうと退職を選んだのだった。

去年の春といえば丁度、新型コロナが発見され世界中が未知のウィルスに恐怖にさらされ、それまであった当たり前の日常が“跡形もなく粉々になった”そんな風に感じた時期だった。思うように人と会えなく成り、ささやかなわたしの生きがいであるライブやイベントも未知のウィルスに軒並み中止・延期を発表、こんなことは私が生きてきた中でも初めての出来事だった。

亡くなった方もたくさんいる、休みもろくになく働いてくださっている医療従事者の方がいるのも重々わかっている上で、私は、この自粛期間がなければ、ちゃんと私自身は再生できていたのか?と思った。もしかしたら、自分の体制を立て直すのにもっと時間がかかったか、あるいは重症化していたのかもしれないと時々思う。

ステイホームで、誰もが否応なしに一度は自分を内観する時間が生まれたと思う。そういう中で、私には誰もが同じような状況であるということと自分とが大差あるように思えなかった。思うように誰かに会えなくて苦しかったり、物事が自分の力ではどうにもできないように感じてしまったりすることは、それまで私にとってはどこかコントロールできない領域だったからである。

そんな中で、朝目を覚まして朝食を作ったり本を読んだり手芸をしたり小さなことを毎日、少しずつ繰り返していった。

2020年、春。私は、まだ未来のことが、この先のことが、世の中のみんなと同じように予想もつかなかった。障害に対しての理解を進めること、対策を考えること見聞を広め深めることそこから始めた。もしかしたら、そういうことができない状況の方もいるのかもしれない。でも、もしかしたら何かのきっかけになるかもしれない、情報としてこんな奴もいることを知って何か感じてくださる人がいるのかもしれない、そういくことを願いながら、この記事を書いている。言って仕舞えば自己満足に過ぎないのかもしれないが。

そんな中で昨年の初夏、WEBビジネス(ITプラス)コースの職業訓練校に応募する。

運よく通えることとなり、9月から5ヶ月間ネットワーク基礎やOfficeの応用、HTMLとCSSについてやデザインソフトの活用などを含めたWEBデザインを学んだ。

講師の先生はとにかく面白かった。一見難しい内容も先生が教壇に登れば、愉快に学べた。興味深い授業は楽しく、濃い時間を過ごすことができた。様々な世代のクラスメイトとお互いを刺激しあって励まし合い授業と同時に就職活動を進めていった。

私もポートフォリオを作ってWEBデザイン会社と紙媒体中心のデザイン会社を受けたが、受からなかった。最終面接に行けた会社もあった。その会社には疾患のことも障害のことも伝えた。でも、ご縁がなかったというか、私の実力も及ばずという感じであったと思う。

『就活がうまくいかない。』そんな時期にアンブレさんのとあるツイートを見てインタビューとツールテストに応募させていただいた。自分のことを知らない誰か(企業)に疾患や障害を持っている自分を効果的に伝えたい、それには自分を客観的に知ることがいいのかもしれない、でもどうやって?そんな中、何かのきっかけになればと思い立ってコンタクトをとらせていただいた。

インタビューでは、家族や友人以外の誰かと話すと見えてくることがとても的を射ていたように感じた。

ツールテストも、自分の行動を代弁していてくれるような内容ばかりで自分一人で、いくつもの具体策を考えるのにはそれなりの時間も労力も気力も必要である。そのような側面がある中で『今、自分はどうして欲しいのか。どんな対策を企業側や一緒に働く同僚に求めるのか。』そういう内容がものの20分足らずで適切にまとまった資料が完成した。(個人差はあれどたった一人で一から十まで構築することを考えれば、とてつもなくスムーズである。)

資料から抜粋/私の特性で感情や精神状態に非常に影響を受けやすい項目/障害や疾患がなくても多かれ少なかれあるとは思うが具現化すると腑に落ちた。

そして、私はいくつかの面接にこの資料を持参した。

企業側は資料があることにより、『採用に至った場合今後の対策が取りやすい。』とのことだった。

そして私自身といえば、資料があることにより比較的冷静に、自分の病状や特性について企業側に伝えられた。ある程度の期間の就労継続を考えると、疾患や障害をクローズで働くということには少なからずリスクが伴う。(もちろんオープン就労に関してもリスクはあると思うが。)

そういうことを前向きに、自分の特性として対策を提示しできたことに関して企業側から前向きな意見をいただくことができた。

そして、ハローワークにも同じく資料を持っていき、職業紹介の相談話の流れで担当の方に見ていただいた。その事がきっかけかはわからないが、のちに地元のハローワークで精神疾患専門のスタッフの募集を見た。

世間の“精神疾患”や“発達障害”などに対する偏見は分厚い。自分ですら、理解に苦しむ場面もある。そんな中で、自分の“よさ”を知ってもらって働きたい。今社会の片隅でもがいている精神疾患や発達障害を持っている当事者の人たち。それぞれがどんな立場であって、どんな状況を抱えていても、働けるものなら働きたい人もたくさんいると思う。また、十分な配慮が受けられず過酷な状況で働き続けている人もいるだろう。

タフで、どこにでも咲ける美しい品種の花もある。

しかし、いろんな条件が必要だけどそれでもちゃんと成長して花を咲かせることができる品種があるように、その花が美しく誇らしく咲ける環境が、今の時代だからこそ増えていくそんな社会で、また世界であってほしい。

アンブレさんは、さまざまな困難を抱えつつも自分に合った職場環境で“働く”をサポートしていく、そんな就労支援サービスに取り組まれている。

今後も当事者に寄り添った活動を当事者として応援させて頂きたい。

(障害、病気のある方の仕事・職場口コミサイト/アンブレ)

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